日本四十八景写真館


 このページでは、これまでに私が旅行してきた中から、「これはっ!」と思った景色を厳選して紹介したいと思います。四十八景ということになってはいますが、必ずしも常時48枚掲載されているとは限りません。なんとなく響きがいいから「四十八景」にしただけですから。また、これはランキングではありません。最高の景色だと思っても、古くなれば入れ替えます。なるべく『大日本記』中には使用していない写真を掲載していく予定ですが、ネタ切れの際にはご容赦ください。ま、カラーになっただけでも新鮮味があるでしょ?
 なお、私が愛用しているデジカメは、30万画素です。非常に画質が悪いということをあらかじめお詫びしておきます(※2004年1月に200万画素デジカメを買いました。今後は画質も向上するはずです)。→さらに2010年3月、1010万画素デジカメを購入しました。画質に関しては、今後は問題なくなる……はず。

・Down Hill  NEW!        香川県小豆島町(Vol、59。2016/9)
  寒霞渓から見下ろす瀬戸内海は、霞に包まれていた。ただでさえ島が多くて水平線が見えにくいのに、霞までかかってはどこまでが海でどこからが空なのかさえ分からない。最高の景色を味わうには、ロープウェイに乗るのがよい。乗らずに眺めるのなら、レストハウスがある展望台よりも、少し西側の「四望頂」の方が広く視界が開けてよい。観光客が少なくて眺めに没頭できるのもいいね。
  気をつけたいのは、見学を終えて、市街地に降りる時。坂道がかなり急で、しかも長いので、車のブレーキ故障が怖い。あちこちに緊急避難路があることからも、怖さを実感する。ローギア走行が必須だ。
・Flood                  高知県四万十町(Vol、57。2015/10)
  四万十川に架かるというか「渡された」、中半家沈下橋。その名のとおり、増水時には沈んでしまう橋。沈下した時に水の抵抗が最小限になるよう、欄干などは設けられていない。それを物語るかのように、橋桁に流木が引っかかっていた。ひとたび雨が降るとここまで水位が上がるのかと思うと、ちょっと背筋に寒気を覚える。雨天時の渡橋は控えたい。
  中半家沈下橋は歩行者・バイク専用橋で、四輪車は通れない(車止めがある)。しかし、中には四輪車が通れる沈下橋もある。橋上でのすれ違いは、ギリギリ。欄干がないだけに、かなりのスリルを味わうことになる。車で渡るときには、対向車の有無をしっかり確認しよう。
・Erosion                 和歌山県古座川町(Vol、56。2015/9)
  この奇妙な紋様が自然の造形だというのだから、この世は面白い。国の天然記念物に指定されている虫喰岩は、岩というか、山。山の下半分の岩場がむき出しになり、まるでクレーターのような穴ぼこがあちこちに空いている。やわらかい石英粗面岩が、長年風雨にさらされて、このような不思議な紋様を描き出した。高知県の竜串に、ちょっと似た造形美だ。竜串は海岸、虫喰岩は内陸。ちっりが違うだけに、同じような形にに浸食されても印象がだいぶ違って見える。竜串はさながら「恐竜の墓場」という感じで荒涼たる風景だったけれど、こちらはどこかやさしい表情というか、神々しくさえ見える。もっと近づい見るとね、ハチの巣みたいでかなりキモいよ。
・STAR WARS             青森県田舎館村(Vol、54。2015/8)
  道の駅「いなかだて」に隣接して、田んぼアートを楽しめる場所がある。ちなみに、最寄駅は「田んぼアート駅」。これ、ペイントしているのではなく、品種の異なる稲を作付することで田んぼに絵を描き出している。展望タワーにのぼれば全景を俯瞰できるのだが、ものすごい行列だったためパス。しまった、平日に来るべきだったか。
  地上から見ると、何の絵だか少々分かりにくい。2015年は、映画「スター・ウォーズ〜フォースの覚醒〜」が公開されるということで、映画に登場するドロイドファミリーが描かれていた。左はC3PO、右はR2-D2。地上から見ると、C3POがちょっと中年太りをしているように見えてしまう。
・L’Ark                   愛知県田原市(Vol、53。2015/5)
  何事も、一番というのは気持ちが良いものだ。鳥羽から伊良湖へ渡る伊勢湾フェリーに、先頭で乗船。無理をすれば前の便に乗船することもできたのだが、先頭で乗ってみたいという思いが勝った(フェリーターミナル内を探検したいという思いもあり)。先頭だと、伊良湖に着いたときに目の前の壁が徐々に倒れていってタラップになるまでの一部始終を、ほかの誰よりも間近に眺めることができる。
  どんよりとくぐもった車両甲板に陽の光が差し込んでゆくさまは、迷走を続ける人生に一筋の光明が射したときの感覚に似ていた。この先、どんな旅路が待っているのか。わくわくする気持ちを抑えるのに苦労するほど、私は高揚していた。
・Summer Snow            富山県黒部市(Vol、52。2014/7)
  黒部峡谷鉄道の鐘釣駅から歩いて5分ほどの場所に、万年雪が残るスポットがある。夏にはそれなりに暑いところなので、溶けずに残っているのがちょっと不思議。トロッコ電車も、長いトンネル内はかなり寒かったから、陽があたらない場所は溶けにくいのだろう。しかしこれでも、看板に描かれたイラストに比べるとかなり雪の量が少ない。やっぱり、地球は温暖化しているんだなぁと感じる。
  この近くには、河原の露天風呂もある。無料で入浴可だが、観光客が頻繁に覗きに来るので、あまり落ち着かない。河原の砂を掘っても温泉が出る。地熱が高いだろうから、なおのこと万年雪があるのが不思議に感じる。
・Make Miracle             岩手県陸前高田市(Vol、51。2014/6)
  3.11の大津波に飲まれた、高田松原。白砂青松の風光明媚な風景は、無残に引き裂かれてしまった。しかしそんな中、一本だけ津波に負けずに倒れなかった松がある。通称「奇跡の一本松」だ。その後立ち枯れてしまったため、現存するものは防腐処理を施し、イミテーションの葉をつけたモニュメントのようなものなのだが、ここに「くじけぬ心」が宿っていることは確かだ。
  観光バスも停まれる大型駐車場が整備され、観光客も根元まで行くことができる(駐車場から10分ほど歩く)。てっぺんに避雷針がついているので、落雷に遭っても大丈夫。仕事や恋愛などに失敗してくじけそうになった時には、ここに足を運んでパワーをわけてもらうのもいいかもしれない。
・Sulfration Land           青森県むつ市(Vol、51。2014/6)
  恐山菩提寺境内では、至る所から硫黄を含んだ火山性ガスが噴出している。蒸気が見えるところだけでなく、周辺一体全域から染み出ているようだ。通路端の地蔵前に何気なく置かれた賽銭が、真っ黒に酸化していた。青黒い円形のものは、すべて硬貨(10円玉と5円玉)だ。1円玉(アルミニウム)は酸化しないのか、変色していない。黄銅を含む硬貨だけが青黒く変色するようだ。白銅が変色するかどうか、100円玉を置いてみたくなるが、実験結果が出るまでに時間がかかりすぎる。
  御岳山噴火の件も、記憶に新しい。訪れるときには、ここが活火山の火口であるということを理解する必要がある。いつ大噴火が起きても不思議ではない場所だと思う。
・Chartered Ship            青森県佐井村(Vol、51。2014/6)
  そそり立つ岩のカーテン。自然の造形とは思えないほど、芸術的でなまめかしい光景を作り上げている。仏ヶ浦は、国道沿いの駐車場から歩いて行けないことはないが、山道がかなり険しく、クマも頻繁に出没するエリアなので、観光船で海からアクセスする人が多い。佐井からは定期船が、牛浜からは臨時便(ほぼチャーター船)が出ている。牛浜からの観光船は、ひとり1000円と格安(佐井便は2400円)。30分ほどの上陸時間を設けてくれるので、のんびり観光ができる。駐車場が狭い(というか「ない」に等しく、岸壁に適当に駐める感じ)が、団体客などが来ないので静かでいい。ほぼチャーター便なので、船頭さんとの会話も楽しめる。佐井便よりも、圧倒的にオススメだ。
・Buxomly                 沖縄県今帰仁村(Vol、50。2013/7)
  世界遺産にも指定されている琉球王朝の城跡・グスク。その最大の特徴は、なんといっても「曲線美」にある。美ら海水族館からほど近い場所にある今帰仁城跡は、いわゆる本丸部分から美しい城壁を一望することができる。万里の長城のようにも見える城壁と、内側に広がる緑の絨毯、外側に広がる樹海。さらには、海辺までをも見通すことができる。竹田城を見た時にも絶句したが、ここもまたアニメの世界を連想してしまうような、ファンタジックな場所だ。
  建物はほとんど残っておらず、現存するのは基礎の部分と石垣だけ。座喜味城ほどには、形も整っていない。それでも、歪であるからこその見ごたえがある。
・Karst                   山口県美祢市(Vol、48。2012/11)
  カルスト台地で有名な、秋吉台。見どころがたいへん広い範囲に散在しているため、どこから見ていけばいいのか、あとどこを見ればいいのかと、悩んでしまう。秋芳洞を中心に見る観光客が多いのだが、そうするとカルスト台地の美観を見ずに帰ることになってしまう可能性が高くなる。秋芳洞出口から展望台へ遊歩道が続いているが、この展望台からの眺めは、突き出ている石灰石がまばらであまり印象的な風景ではない。
  オススメなのは、秋芳洞から秋吉台道路を北へしばらく走ったところにある路側帯に車を止めて、眺める景色。石の数が多く、しかも広角に開けている。なぜ、こちらに展望台を作らなかったのか、不思議だ。
・Renewal                 兵庫県香美町(Vol、48。2012/11)
  餘部橋梁が架け替えられてから初めて、餘部を訪問。新しい橋は鉄筋コンクリート製で、いかにも頑丈な造りだ。鉄道ファンにとっては、古い鉄橋の風情がたまらなかったのだが、それはエゴというものだろうか。しかし、鉄橋が解体されて観光客が激減したのも事実だろう。新しい橋のふもとに道の駅「あまるべ」をオープンして観光客離れを防ごうという意図が見えるが、果たして……。
  橋梁架け替えの際に、線路も新線に切り替えられている。そのため、餘部駅ホームにはまだ廃止線が残っていて、鉄橋も一部残されている。これは、このまま保存されるのだろうか。
・White & White            北海道七飯町(大日本記非掲載。2010/12)
  2年続けて冬の北海道を旅したのだが、「雪しかない景色」にもそれなりの魅力があるというか、むしろ雪景色ならではの魅力があるということに気づいた。膝まで埋まる積雪の中、顔中に吹雪を浴びての散策だったわけだが、不思議と「冬の厳しさ」は感じなかった。むしろ、優しさや柔らかさを感じた。それが、大沼の魅力なのかもしれない。
  真冬にわざわざ大沼を見に行くなんてなんて物好きな、と思うかもしれないが、それなりに観光客は来ている。観光バスの団体も来ていたし、SLに乗ってくる人も多い。しかし、沼端まで足を伸ばす人はそう多くない。やっぱり私は、物好きなのかな。
・Illusion!                岩手県田野畑村(Vol、42。2010/9)
  これぞ、幻想的な風景。生憎の雨模様だったが、三陸の夏の風物詩「やませ」とのコラボレーションが実現し、この世のものとは思えない不思議な風景を創出していた。見た目にもっとも「リアス式海岸」を実感できる、鵜の巣断崖。これが霧のヴェールに包まれると、色の濃淡が強調され、非常に奥行きのある風景になる。スキー場で眺める山並みがたいへん美しく見えるのと同じイメージだろうか。
  霧は常に動いているので、この風景は時としてもっとはっきり見え、時としてまったく見えなくなる。一瞬だけ垣間見えるという、ある種の「背徳感」もまた、インパクトを強める要素になっているかもしれない。
・True Point               北海道えりも町(Vol、41。2009/9)
  襟裳岬の観光には、それなりに時間がかかる。駐車場から展望台まで、歩くこと5分。この場所から断崖絶壁を眺めて(写真)、襟裳岬に到達した気になる人が多いようなのだが、実は岬の突端、写真の断崖の先端部分まで遊歩道が続いていて、観光客が散策できるようになっている。というか、岬の本当の先端近くにも人家があり、実は車で行くこともできる(物理的には)。先端近くは昆布の干し場になっていて、比較的開けている。襟裳岬を「到達ポイント」と捉えるのであれば、先端まで行って、振り返って展望台を仰ぎ見るところまでやるべきだろう。展望台から見下ろす先端もいいが、先端から見上げる断崖もなかなかの迫力だ。
・Sulfur Flower             北海道弟子屈町(Vol、41。2009/9)
  シュゴォォォと、悪魔の吐息のような音をたてているのは、硫黄山の山肌を埋め尽くす硫黄の結晶。硫黄は、温泉の浴槽に沈殿しているものはたいてい白いし、硫黄泉自体も白濁していることが多いのだが、ここの結晶は文字通り黄色い硫黄。流動するようなものではないが、「黄色いマグマ」といった雰囲気。
  もちろん、周囲には濃密な硫黄臭が立ちこめている。これって、有毒じゃないのかな。あちこちに「有毒ガス注意」とか「やけど注意」などと書かれた立て札が立っていて、物々しい。夕刻で、周囲に他の観光客の姿がなかったこともあり、なんだか「この世の果て」を見たような気分になった。  
・Peephole Cavern           神奈川県三浦市(大日本記非掲載。2009/8)
  頂上の部分で僅かに繋がっているだけの、危うい洞門。崩壊して別々の岩になってしまう日も近いであろう、城ヶ島の馬の瀬洞門。洞門の上を歩いて渡るなんてもってのほか、内部を潜ることすらできない(立入禁止の札が立っている)。これまでに様々な洞門を見てきたが、これほどまでに危ういと感じたのは初めてだ。
  城ヶ島のビュースポットの中では、意外にも訪れる人が少ない。ほとんどの観光客が、メジャーな安房崎だけを眺めて帰っていく。実に勿体ない。駐車場から徒歩15分ほどで行ける場所にあるので、是非足を伸ばしてみることをオススメする。ただし、決して潜ったり上を渡ったりしないこと。命に関わります。
・Wide Cascade             茨城県大子町(番外編10。2009/5)
  日本三名瀑。華厳の滝と那智の滝は垂直落下だが、この袋田の滝は幅広で柔らかな印象。「豪快」というよりも、華麗でシックな名瀑である。けれども、その規模はやはり三名瀑ならでは。落差は120mもある。写真では2段に流れ落ちているように見えるが、このさらに上にもう一段あり、計3段に分かれている。昨年9月に新観瀑台がオープンし、上からのアングルで、滝全体を眺めることができる。しかし、新観瀑台へ上がるエレベーターは大混雑(この日は約1時間待ちだった)であるうえ、眺めは遠景になるので、意外と迫力に欠ける。旧観瀑台から眺めた(写真)方が、圧倒的に印象深い。
・Bombed Train              広島市西区(Vol、40屋巻、2008/9)
  新旧様々な車両が入り乱れて走る、広島電鉄。車両を見比べながら歩くのが結構楽しい。中でもひときわ目立つ存在なのが、先の大戦中にデビューしたものの原爆に焼かれ、その後見事に復活を遂げた通称「被爆電車」だ。現在、3両の被爆電車(651号車・652号車・653号車)が現役で活躍している。
  天満町電停付近で651号車に出会えたのは、まったくの偶然だった。細部には改良が施されているものの、基本的には被爆当時の姿をとどめている。レトロであるというだけでなく、凄惨な歴史の生き証人でもある。今度広島を訪れるときには、是非被爆電車に乗って、車内を詳しく検分したいものである。
・Chasm!                   鹿児島県屋久島町(Vol、40屋巻、2008/9)
  大地に刻まれた、深い裂け目。その中を、飛ぶ鳥ならぬ龍を落とすが如くの勢いで清流が流れ下る。「飛龍落とし」とは、まさに言い得て妙。
  屋久島には、このような巨大な一枚岩が織りなす絶景ポイントがたくさんある。もっとも規模が大きいのは千尋の滝だが、遠望するのみ(遊歩道があるが、立入禁止になっている)。すぐ近くで眺めるなら、白谷雲水峡の飛龍落としがベストだろう。大きな滝、美しい滝は全国各地で見られるが、これほどに「凄まじい滝」は、屋久島ならではの光景だと思う。なお、飛龍落としの上流部ではヤクシカやヤクザルの姿も頻繁に見られる。ヤクザルが吊り橋のワイヤー上を跳梁跋扈する姿も、なかなか見ごたえがある。  
・Succession                 鹿児島県屋久島町(Vol、40屋巻、2008/9)
  ヤクスギというと、縄文杉を真っ先に連想する人が多いと思う。実際、私も現地へ行くまではそうだった。しかし、柵を隔てて遠巻きに眺めることしかできない縄文杉よりも、間近に眺めて、触れて、中にも入れるウィルソン株の方が強く印象に残った。切り株ではあるが、内部の空洞に人が入れるのはもちろんのこと、10畳ほどの広さがある。湧き水が流れ、小さな社も組まれている。
  さらに驚くべきことに、切り株の断面のあちこちから、新たなヤクスギの芽がどんどん育ってきている。屋久島には二代杉、三代杉といった、倒木の上に大木が成長した杉がたくさん見られるが、ウィルソン株も数千年後には二代杉になるのかもしれない。
・Mazy Cave                  鹿児島県南種子町(Vol、40種巻、2008/9)
  種子島(特に東岸)には、奇勝海岸が多い。柔らかい砂岩層が多く露出し、しかも外洋に面しているため、波風の浸食を受けやすいのだろう。中でも私が「すごい!」と思ったのは、千座の岩屋。広い砂浜(海水浴場)のすぐ隣に、迷路のように入り組んだ洞窟が口を開けている。立って歩ける部分もあれば、腹這いにならないと進めない部分もある。写真のように、一部には海水が入り込んでいる。素人でも手軽にケイビングを楽しめるスポットだ。
  洞窟の外には、砂に埋もれた鳥居がある。これを見ると、この辺りはものすごい勢いで砂が堆積しているんだなと実感する。近い将来、ここは鳥取砂丘のようになるのだろうか。
・Dive Into The Space!         鹿児島県南種子町(Vol、40種巻、2008/9)
  種子島屈指の観光名所・宇宙センター。だだっ広くて観光に時間がかかってしまうのだが、JAXAが主催するバスツアーに参加すれば効率よく回れる。しかも、個人では立ち入りできないエリアをも網羅してくれる。参加無料なので、ぜひ参加しておきたい。
  写真は、3つあるロケット発射台のうちもっとも規模が大きい大型ロケット発射場(大崎射場)。射点(鉄塔が立っているところ)が2つあるのが分かる。ロケット組立棟(写真で言うと、背後にある)から射点までフルオートマチックで発射台が移動し、発射準備ができる。日本で唯一の移動式発射台を備えた発射場である。写真では、第1射点(左側の射点)に発射台がセットされている。
・Maars                     秋田県男鹿市(Vol、39、2008/4)
  人里のすぐ近くなのに、そこは鬱蒼と繁る森に囲まれていて、何人たりとも近づけない雰囲気に満ちている。これは、かつて火山の噴火によって誕生した、世界的にも珍しい形態の火山湖(マール)。写真は「二ノ目潟」というマールだが、周辺には一ノ目潟、三ノ目潟もあり、マール群を形成している。さらに、写真奥の戸賀湾も、かつての火山噴火によって形作られたものだといわれている。なるほど、確かに丸っこい形をしている。3つのマールは、すべて海からすぐ近くの場所にあるのだが、いずれも淡水湖。海底堆積物や地中奥深くの岩石が見られるなど、学界の注目を集めている。平成19年に、国の天然記念物に指定された。
・Float In Subdued Blue        北海道羽幌町(Vol、38正編、2007/9)
  下の写真と対になっているのだが、こちらは天売島から焼尻島を眺めたもの。少し標高の高い場所から見下ろしていて、しかも空が少々霞んで水平線を隠しているので、焼尻島が空中に浮いているように見える。左上の方に僅かに見えている直線的な構造物が、天売港の防波堤。焼尻では、キチガイじみた坂を延々と上り続けたのに、離れて見ればペッチャンコ。こんな平べったい島だったかなぁと、目を疑いたくなる。中央部がやや高くなっているが、これが鷹の巣岬(下の写真の中央に突き出ている岬)。
  今にも、天に向かって昇っていってしまいそうな、焼尻島。人の心が暖かい、「天国に一番近い島」なのかもしれない。
・One Upon Another           北海道羽幌町(Vol、38正編、2007/9)
  港付近にこぢんまりと寄り集まる集落を抜け、綿羊牧場のある丘を越えると、そこには別世界が待っていた。幾重にも折り重なって見える岬。足元の部分は黒崎海岸、右方に見える険しい岬は焼尻島最西端の鷹の巣岬。その奥に見えているのは、武蔵水道を挟んで浮かぶ天売島。北海道らしい雄大さと、北海道らしからぬ柔らかな景色の、見事な融合だ。
  何一つ下調べをせずにフラッと訪れた、焼尻島。周囲10kmほどの、小さな島。自動車がほとんど役に立たない、小さな島。しかしそこは、大自然をギュッと濃縮され、しかも優しく還元された、時間の経過さえ忘れさせる楽天地だった。
・Like a Lizard               徳島県三好市(Vol、37、2007/5)
  テレビなどで幾たびも紹介され、すっかり有名になったかずら橋。しかし、あれは実際にはワイヤーの吊り橋に蔓草を絡ませただけの偽物。しかも、観光客がどっと押し掛け、500円払って、30分並んで、1分で渡っておしまい。「立ち止まらないでくださ〜い!」の世界。それならば、もう少し剣山方面に足を延ばし、奥祖谷二重かずら橋を見に行った方がいい。こちらも有料(500円)だが、人が少なく、そのためあまり頑丈に補強されていないのか、一人渡るだけでも激しく揺れる。ちなみにこの橋、平家の落人が「追っ手が来てもすぐに切り落とせる橋」として架けたものらしい(諸説あり)。トカゲの尻尾みたいな橋だ。
・Who’s The Bravest?         徳島県三好市(Vol、37、2007/5)
  祖谷口駅からかずら橋に向かって車を走らせていくと、崖っぷち小便小僧の前を通る。ちょうど見晴らしがよい場所で、数台の車が駐まれるように整備してあるので、この場所で一息つくドライバーも多い。
  実はこの崖、約200mの高さがある。しかも、オーバーハング状に岩場が迫り出した場所。なんでも、かつてこの場所で旅人たちが度胸試しをしたことから建てられたらしい。この小僧、噴水ではない(水は出ていない)ので、正式に「小便小僧」と呼べるかどうか微妙。ただ裸で立っているだけなのかも。ま、一番度胸があるのはこの小僧を建てた人、で間違いあるまい。
・Getting Ahead              徳島県つるぎ町(Vol、37、2007/5)
  JR貞光駅付近には、面白い街並みが残っている。1階の屋根と2階の屋根の間に、「おまけ」がくっついているのが分かると思う。これは「うだつ」と呼ばれる袖屋根で、江戸時代の商家が富の象徴として挙って建てたもの。写真の「うだつ」はシンプルだが、中にはうだつ自体が「2階建て」になっているものもある。徳島県特有の風習だ。うだつの街並みとしては、貞光よりも脇町(美馬市)の方が有名なのだが、貞光は変に観光地化していないため、江戸時代当時のままの様子を伺い知ることができる。言うまでもないが、慣用句の「うだつが上がらない」の出自はこれ。「富の象徴がない」=冴えないということ。
・Silent Force               青森県十和田市(Vol、36、2006/10)
  激しいばかりが奥入瀬の魅力ではない。緩やかな流れが長い長い年月をかけてブナの大木を押し倒す、そんな「静かなる迫力」もまた魅力である。
  ここは、下記「阿修羅の流れ」から少しさかのぼったところにある、「飛金の流れ」。「流れ」という字が添えられるほどの急流ではないのだが、大木を押し倒すだけの有無を言わせぬ圧力感がある。地中深く張った根をこそぎ取り、周囲の土壌もろとも持ち上げる。周囲には、土壌を削り取られて「浮島」のようになった大木がたくさんある。いずれ、これらの木々も静かなる迫力の軍門に下ってしまうのだろう。
・Torrent                  青森県十和田市(Vol、36、2006/10)
  見所が10km以上にわたって続く、奥入瀬渓流。その中でも最大のハイライトとなるのが、中流部にある「阿修羅の流れ」だ。奥入瀬では、流れの激しい部分に「〜の流れ」と名付けているのだが、ここは他の「流れ」とは完全に一線を画す迫力がある。この日は雨天だったこともあり、水量も多く、なおのこと迫力が増していた。
  背後には、色とりどりに染まった樹木。水泡の白、岩の黒、七色の樹木。このコントラストが見事で、まるっきり写真の中の世界に立っているような錯覚さえ覚えた。水は絶えず流れ続けているが、この場所だけ時間が止まっているかのように感じる。
・Healin’ Parkin’             青森県十和田市(Vol、36、2006/10)
  紅葉の季節、十和田湖畔の休屋駐車場は酷く混雑していた。キャパがとてつもなく大きいから、駐められないということはないのだが、よくもまぁ全国からこれだけたくさんの車が集まってくるものだ。
  車を降りた人々はたいがい一直線に乙女の像を目指して歩いていく。しかし、その背後では真っ赤に色づいた木々が我々を出迎えてくれている。乙女の像は逃げないが、紅葉はこの時期でなければ見られない。それならば、まずは足を止めて自然界の織りなす色彩の豊かさに心を浸してみるのも悪くないだろう。……スカッと晴れていればこの赤が浮き立つような透明感を発するのだろうにと、厚ぼったい雲を恨めしく思うのだった。
・Hemming                 新潟県糸魚川市(Vol、33、2006/5)
  親不知といえば、かつては急峻な断崖のイメージで、「親が波に飲まれても、子はどうすることもできない」ということから名付けられたと聞いた記憶がある。しかし、今では北陸自動車道が断崖と海の間を縁取るように走っており、もはや昔日の「難所」というイメージはない。しかし、国道8号を走っていると、狭くて曲がりくねった洞門が続き、難所の面影を残している。大型車同士のすれ違いができない箇所が多いため、極端にスピードを落とすことがある。追突しないように、要注意だ。ちなみに、写真は道の駅「親不知ピアパーク」に近いビーチで撮った。親不知にビーチがあるというのも、なんだかイメージにそぐわない。
・Blue Sky                   岐阜県白川村(Vol、33、2006/5)
  白川郷というと、豪雪に埋もれた合掌造のイメージを抱く人が多いかもしれない。そして事実、冬の白川郷も人気が高く、雪中をわざわざ観光して歩く人も多い。しかし、このような素朴な街というのは、「四季」という概念が強く根づいていて、どんな季節に行ってもその季節の特徴を感じることができるものだ。桜が終わりかけたGWには、集落内のあちこちに鯉のぼりが立ち、風にそよいでいた。雲一つない快晴に鯉のぼり。もしかしたら「白川郷らしくない」と笑う人もいるかもしれないが、これも白川郷の一側面である。できれば、2本支柱の鯉のぼりを立ててほしかったところではあるが、この季節にしか味わえない「プレミアム白川郷」を堪能することができたのだった。
・Aqua City                 岐阜県郡上市(Vol、33、2006/5)
  美濃の小京都として名高い、郡上八幡。全国には小京都と呼ばれる古い街がたくさん残っているが、ここ郡上八幡は他の小京都とはひと味違う。なぜなら、街のいたるところに湧水があり、いたるところでせせらぎが聞こえ、いたるところを水が流れているからだ。RPGにありがちな「水の都」のイメージがピッタリの街である。
  この湧水、もちろん飲むこともできる(一部飲用不可の湧水もある)。観光客用に湯飲みまで常備されているものも少なくない。中には、獅子おどしのような造りになったものもあり、歩いているだけで楽しめる。代表的な宗祇水だけを見るより、全体をブラブラして水を五感で体感した方が楽しい街だ。
・Tunnel Bridge              和歌山県新宮市(Vol、32、2006/1)
 熊野川の最下流(鉄橋除く)に架かる、熊野大橋。トラスの掛け替え工事中なのか、左右上の三方がネットや板で覆われ、なにやら妖しげな雰囲気に包まれていた。ネットの切れ間からまばゆいばかりの光が漏れ、その光の中から突如として車が現れ、猛スピードで駆け抜けていく。幅員が狭いだけに、迫力がある。なんだか、宇宙空間を超光速でワープしているかのようだ。
  この橋、三重→和歌山の一方通行。和歌山から三重へ行く場合には、このすぐ隣に架かっている新熊野大橋を通ることになる。新熊野大橋は対面通行なので、三重→和歌山というルートだとどちらの橋を渡るか選べるわけだ。新熊野大橋の方が立派ではあるが、私個人としては旧熊野大橋の情緒の方を好む。
・World Wide Wonderland       愛知県長久手町(Vol、31帰編、2005/9)
  約半年にわたって開催された、愛・地球博。閉幕直前の9/8に行ったら、平日なのにものすごく混んでいた。この日の入場者数、約195000人。これは、夏休み中(7/21〜8/31)のどの日よりも多い。平日だというのに……。日本人、ギリギリになると動き出す人が多いんだな。私もそのクチなのだが。
  だから、どのパビリオンも大盛況で、中には5時間待ちという殺人的な人気パビリオンもあった。そんな中、朝から夕方までフルに回り続け、29のパビリオン(国の数では73)を巡ってきた。午後になると、動き回っている人よりも道端でバテて動けなくなっている人の方が多かったのが象徴的だった。
・Bus Ramen                北海道函館市(Vol、31帰編、2005/9)
  北海道には、ラーメンが有名な街が3つある。醤油の旭川、味噌の札幌、そして塩味の函館。このうち、旭川と札幌は比較的味の濃いラーメンを出す店が多いのに対し、函館の塩ラーメンはかなりあっさりしている。たまたま、私が今までに食べた2軒があっさりだっただけかもしれないが。
  函館には、東京にまで名が轟くような「有名店」はない。実際、函館駅を降りてラーメン屋を探そうとすると、特に夜間は結構難儀する。ラーメン屋、それほど多くはないのだ。そんな中、ひときわ異彩を放っているのがこのバスラーメン。テレビでも紹介されたことがあるこの店に、ラーメン屋を探し始めて3分で出会えた。移動店舗だから、まさか出会えるとは思っていなかった。感激。塩ラーメンは500円。
・North End                 北海道稚内市(Vol、31帰編、2005/9)
  日本最北の地・稚内宗谷岬。早朝から夜中まで観光客が絶えない名所であるが、宗谷海峡を隔ててサハリンを眺めようと思ったら、一歩引いてレストハウス「アルメリア」の裏の坂道を少し上った当たりから眺めた方がいい。岬から眺めるよりも、遙かにくっきりと見える。デジカメ写真だとちょっとコントラストが弱くなってしまうのが残念である。肉眼では、もっとはっきり見える。
  岬から旧海軍望楼辺りまではたくさんの観光客が訪れるのだが、「アルメリア」(中央右に見えている黒っぽい建物)の奥まで入ってくる人は極めて少ない。サハリンだけではなく、なだらかな丘が連な宗谷丘陵の景色も見事で、酪農風景も間近に眺められるので、是非とも丘を上ってみたいものである。最北端の地は、単なる「到達点」とするには勿体ない。
・Bottomless Marsh            北海道幌延町(Vol、31行編、2005/9)
  道北最大級の観光スポット・サロベツ原野には、様々な表情がある。南部の長沼〜パンケ沼辺りは完全に湿原だし、北部の原生花園辺りは「野原」という印象。「手つかずの自然」という雰囲気を味わいたいなら、南部の方がオススメである。写真は、サロベツ原野の南端に位置する、長沼。水生植物が湖面のほぼ全域を覆っていて、一見すると「干上がっているのかな」と思えてしまう光景である。
  この近くには、湿原名物の「谷地眼」がある。直径30センチくらいで深さ2m以上という、恐ろしい水たまり。計測棒が置いてあるので、これを使って深さを体感してみよう。
・Red Carpet                北海道網走市(Vol、31行編、2005/9)
  網走市の西部、能取湖畔の卯原内という地区に「サンゴ草群落」という名所がある。たまたまこの日朝早く起き、博物館網走監獄の開館まで時間があったので行ってみたのだが、湖面に真っ赤な絨毯が敷き詰められていて驚いた。原生花園の類から花の姿が消えかける9月、ここのサンゴ草は一斉に赤く色づく。部分的に湖面が露出しているあたりが、「湿原」っぽくて好景観。
  サンゴ草とはよく言ったもので、接近して眺めると、本当にサンゴのように見える。参考までに、こちら
拡大写真(桟橋に近い部分は色づきが甘い)。固そうに見え、この上を歩けるんじゃないかと思うのだが、本当のサンゴではないので、それは無理。
・Convoy                   新潟県粟島浦村(Vol、30、2005/5)
  新潟県村上市の岩船港から船で1時間半ほどのところに、粟島という島がある。島民わずか400人の孤島だが、島民のエネルギーは凄まじいものがある。5月3日は粟島の島開きの日。この日、粟島に入港するフェリーは地元漁船のド派手な歓迎を受けた。島の特産である竹をそのまま使った旗竿に大漁旗を何枚も掲げ、船上から手を振って我々を迎えてくれる。観光立村ならではの素晴らしいパレードであるが、これはただのパフォーマンスにはとどまらない。粟島の人々は、本当に観光客に対して友好的だった。島で知り合った旅行者の多くがリピーターだったが、その気持ちがよく分かる。
・Refined Taste              和歌山県那智勝浦町(Vol、29、2004/11)
  日本三名瀑の一つに数えられている、那智滝。そのふもとに、参拝料の徴収所を兼ねた那智大社の別宮がある。無料ゾーンからでも滝を見ることはできるのだが、300円払えば飛沫かぶりの展望所まで行くことができる。迫力が全然違うので、ここは300円をケチるべきではない。
  ところで、料金所には係員が2人座っている。一人は、普通に料金を徴収する人。もう一人は、ひたすら横笛を吹き続けている。この笛の音がすごく風流で、豪快一辺倒の滝との対比が面白い。横笛の音があるだけで、滝がすごく柔らかなものに見えてくるし、水音も優しく感じてしまう。これは「粋」だなぁと思った。
・School Zone                奈良県十津川村(Vol、29、2004/11)
  国道168号からちょっと入った集落にある、日本一の大吊り橋。何が日本一かというと、歩行者専用吊り橋として最長。でも、私の感想としては「日本一怖い吊り橋」で間違いない。激しく揺れるし、橋面の板はボロボロに朽ちていていつ「バキッ」といってもおかしくない。鎹も外れかけている。橋の入口脇に「20人以上同時に渡らないで下さい」と書いてあるのがなお怖い。
  そして驚くなかれ、これは単なる観光名所ではない。地元住民の通学路として、生活道路として使われているのである。橋上で犬を連れた小学生が元気よく走って私とすれ違ったが、見ているだけでも背筋が凍りそうである。
・Tidal Wave Warning           和歌山県美浜町(Vol、29、2004/10)
  紀伊半島の西の突端・日ノ御碕から御浜町の市街へ向かっていくと、このような恐ろしい集落を目の当たりにする。写真右のコンクリ壁は防波堤で、この裏は海。狭い県道を隔てて、家が建ち並んでいる。そして、よく見るとそれぞれの家もまた高いコンクリ壁で覆われている。海岸の防波堤と家を囲む防波堤。2重の防波堤で鉄壁のガードをしているのである。
  何故こんなことをするかというと、もちろん高潮の被害を最小限に食い止めるためだ。この辺りは毎年よく台風が通る場所だから、高潮も発生しやすいのだろう。生活の知恵……というか、防戦一方という感じだ。
・Sacred Ground              和歌山県海南市(Vol、29、2004/10)
  海南市街からちょっと南に入ったところに、藤白神社という熊野古道の要衝がある。この神社は、古くから「藤白王子」として親しまれ、「鈴木姓の聖地」とされている神社である。全国に100万人以上いる鈴木さんは、ルーツを辿ると藤白に行き着く。鈴木姓は熊野信仰から発祥した、由緒正しき姓なのである。
  写真は、藤白神社から100mほど離れた場所にある、「旧鈴木邸」。鈴木姓発祥以来、直系子孫がここに住み、藤白神社に仕えてきたという。昭和16年で途絶え、今は空き家となり、荒れるがままになっている。しかし目下、市と神社が中心になって修復工事を計画している。
・Like A Monkey              山梨県大月市(Vol、28、2004/8)
  猿橋は、木曽の桟(長野県上松町)・錦帯橋(山口県岩国市)と並んで、日本三奇橋の一つに数えられている。伝説によると、猿が自らの体を数珠繋ぎにして橋を造ったことをヒントに、橋を架けたという。写真を見ると、橋桁の下に何層かの「張り出し」(瓦のように見える部分)があるのが分かる。これが「猿」だ。
  猿橋も十分見るに値するが、定期的に架け替えられているので、どことなく「新しさ」が目立ってしまう。だから、個人的にはすぐ近くにある「
八ツ沢発電所一号水路橋」の方が面白かった。古いまま(1912年竣工)で残っているし、内部をものすごい勢いで水が流れていて迫力満点。
・Risk Of My Life              島根県石見町(Vol、28、2004/8)
  断魚渓。雨上がりで増水していたため、この上なくスリルのある渓谷だった。写真を見ると、屹立する岩場と川面の挟間にコンクリートの帯があるのが分かるのだが、これが遊歩道。幅は30cmもなく、手すりなども一切ない。ちょっとバランスを崩せば、激流に流される。下流にちょっとした滝があるので、助かる可能性は低い。天気のいい日なら、この辺りは「千畳敷」として干上がっているのだが、この日は完全に水没していた。遊歩道はこの先(写真では手前)で川を渡るようになっているのだが、これまた一歩足を滑らせれば滝壺行き。本当に命が縮む思いだった。こんな看板もあるほどだから。ちなみに、断魚渓全景はこんな感じ
・Styx                     長崎県小浜町(Vol、28、2004/8)
  土石流と火砕流で名を売った、雲仙普賢岳。あれから10年あまりが経過して、見事なまでに観光地として再生していた。温泉街の中心にある雲仙地獄は、まさに「地獄」の名に相応しい。そこかしこから間欠泉と湯気が噴出し、手をかざせば火傷する、という世界。歩道の石畳の隙間からも湯気が上がっている。うっかり路面に手をついただけでも、運が悪ければ火傷する。
  写真は、雲仙地獄観光のハイライト、「ゆけむり橋」。橋を渡る人を、即座に湯気が包み込む。湯気、熱いです。手前の子供は、恐れをなして足を止めてしまった。なんだか、三途の川を渡っているような気分になる。
・Guilotine                  長崎県高来町(Vol、28、2004/8)
  1997年、衆人環視の中で落とされたギロチンを、よもや忘れた人はいないだろう。あれから7年、水門内側の干潟は苦しみ、のたうち回りながら死期を迎えつつある。
  写真は、諫早湾潮受堤防の北部排水門。完全に締め切られて海水が入ってこないため、手前の海のように見える部分は淡水である。減反政策が続く中、こんなことをしてまで農地を広げる必要があるのだろうか。
  2004年8月26日、佐賀地裁は干拓事業が漁業に与える影響を認め、工事差し止めの仮処分を下した。しかし、工事が止まっても、水門が開かれなければ何も変わらない。
・Love & Peace               長崎県長崎市(Vol、28、2004/8)
  お馴染み、長崎の平和祈念像。天高く突き上げられた右手は原爆の脅威を示し、水平に伸ばした左手は平和の祈りを、軽く閉じた目は犠牲者への哀悼を表しているという。
  これは私の偏見かもしれないが、「平和」を謳う像のモチーフに男性が用いられるのは珍しいと思う。しかも、筋骨隆々としたたくましい男性。だから、平和祈念というよりも力の象徴のように見えてしまった。
  平和祈念像前の広場で、おじさんがストレッチをしている。このおじさんの後ろ姿を一緒に眺めて、初めて「これが平和ということなんだなぁ」と感じたのだった。
・Car Eater                   山口県下関市(Vol、28、2004/8)
  九州への玄関口、関門トンネルの下関側出入口。今のところ、本州から九州に渡る道は、関門橋と関門トンネルの2本しかない。どちらも有料だが、トンネルの方が安い(200円)。関門橋は高速道路の一部で、最短区間での利用(下関〜門司港)でも350円になる。高い分、景色は素晴らしいのだが。ちなみに、関門トンネルは歩行者も利用でき、無料。自転車は20円。
  下関といえば「ふく(河豚)」だが、トンネルの入口にもしっかりと「ふく」が描かれている。というより、この入口、なんだか怖い。2匹の「ふく」が目、トンネルが口に見えません? で、私も今まさにこの怪物の口に吸い込まれようとしている。前の車に続いて、暗く深い闇の中へ。果たして無事に抜けられるだろうか?
・The Cape                  静岡県御前崎市(大日本記非掲載、2004/8)
  駿河湾と遠州灘を隔てる、御前崎。海岸線ギリギリまで丘が迫っていて、丘の上に白亜の灯台がある。そしてこの灯台、中に入る(上に上がる)ことができる(有料150円)。灯台上からの景色は360度全方向に開け、風もよく通る。
  写真は、御前崎灯台上から遠州灘方面を望む。緑の丘が海岸スレスレまで迫っているだけでなく、海岸もいわゆる「千畳敷」のようになっている。隆起海岸なのかな。米粒大に写っている車からも、灯台がいかに高い位置にあるかが窺い知れるだろう。灯台そのものも、高さは17mほどなのだが、狭く急な螺旋階段を上るのは結構楽しい。
・Steppe                    静岡県御前崎市(大日本記非掲載、2004/8)
  砂丘というと、どうしても鳥取を想像してしまうものだが、遠州灘沿岸も、南遠大砂丘、中田島砂丘、そしてこの浜岡砂丘などが点在する「砂丘スポット」である。我々観光客は物見遊山気分だからいいが、近隣に住んでいる人は大変だと思う。風が吹くたびに砂が舞いあげられ、畑に、道路に、家にだって降り注ぐ。
  浜岡砂丘は、「砂丘」という名こそついているが、写真のように背丈の低い緑に覆われている。言うなれば、「ステップ草原」だ。しかしこの草原も、防砂柵でギリギリ守られているという感じがする。いつかは、わずかに残っている緑も砂に埋もれてしまうのかもしれない。
・Under The Girder             兵庫県淡路町(大日本記非掲載、2004/8)
  明石海峡のふもとの道の駅【あわじ】を訪れたとき、ちょうど夏祭りが開催されていた。盆踊りのような櫓が設置され、その周りで不思議な衣装を身にまとった女の子たちが踊っていた。
  世界一の吊り橋をバックに「祭り」というのも、なんだかアンバランスな気はする。しかし、確かにここでしか見られない風景であり、この時期にしか見られない風景でもある。明石海峡大橋を訪れるのはこれで2度目だが、むしろワンパターンにならなくて良かったかなと思う。
  おまけ。渡橋時にやたらとシャッターを切っていたら、不思議な写真が撮れた。ライトアップの賜物か。
・Fly High!                 愛媛県松山市(大日本記非掲載、2004/8)
  滑走路を離れ、いざ大空の彼方へ! 曇天のもと、勇ましく飛び立っていったのは、古めかしいプロペラ機。東京や大阪などの大都市ではなく、マニアックな空港を目指しているのでしょう。
  松山空港には、搭乗者だけではなく送迎者も自由に入れる展望デッキがある。デッキは大抵の空港にあると思うが、羽田空港ほど滑走路との距離が離れていないし、能登空港よりも頻繁に航空機が離発着する。「眺める」という点では、よくバランスがとれている空港ではあるまいか。飛び立つ機体のバリエーションも豊富なので、眺めていて飽きない。意外にも、プロペラ機が多いね。こちらのANA機も、プロペラ。ジャンボジェットなど、滅多にお目にかかれない。
・Bird's View                 愛媛県吉海町(大日本記非掲載、2004/8)
  しまなみ海道には多くの見所があるが、ハイライトは何と言っても来島海峡大橋。3本の巨大吊り橋が連なった姿は圧巻の一言である。写真は、来島海峡を一望できる亀老山展望公園から。ここへ上がるのは5年ぶり2回目なのだが、何度来ても景色は新鮮で、色褪せることがない。
  この展望台の素晴らしさは、来島海峡の眺望だけではない。展望台が山頂にあるため、360度どの方向にも視界が開けるのだ。西に来島海峡、南に今治市街、東には瀬戸内海、北には伊予大島の山並みが、すべて鳥の視点から望むことができる。ガイドブックに載っていないことが多いので、訪れる人はそれほど多くない。朝イチなら、雄大な景色を独り占めにできるだろう。
・Maximum?                  新潟県関川村(Vol、27、2004/5)
  約20kmも続く荒川峡の西端に架かっている、丸山大橋。打ちっ放しのコンクリート剥き出しで、お世辞にも「おしゃれ」とは言い難い外見。しかし、実はこの橋、アーチスパン118mの、日本一のアーチ橋である。ただし、「但し書き」つき。「市町村道としては日本一」なのである。
  県道や国道を含めると、日本一はしまなみ海道の大三島橋(アーチスパン297m)。これに比べれば、ずいぶんと見劣りしてしまう。でも、関川村にとっては、自慢していいことだと思う。なぜなら、県道は県が、国道は国が整備いているのに対し、市町村道は地元の自治体が整備しているからだ。ましてや、人口の少ない「村」が日本一を勝ち取ったというのだから。
・Another Side                宮城県松島町(Vol、27、2004/5)
  松島というと、複雑な海岸線に小さな島々、カモメが飛び交い、笹かまが美味い……と連想する人が多いだろう。しかし、この写真も松島の特徴を如実に表している。これは、松島南部にある、雄島。この島には、中世の修行僧が彫りつけた磨崖仏・法名・卒塔婆などがたくさんある。有名な瑞巌寺の参道脇にも、このような磨崖仏群がある(瑞巌寺洞窟遺跡)。風光明媚な景勝地であると同時に、修験者の霊場であることも知っておきたい。
  ちなみに、雄島に庵を結んでいた見仏上人に、後鳥羽上皇が松の苗木を千本贈ったという記録がある。これが、「松島」の地名の由来である。だから、本来「松島」とは雄島のことなのだ。
・Wisteria Shower              栃木県足利市(大日本記非掲載、2004/5)
  見事なまでの、藤色の雨。足利フラワーパーク内にある、天然記念物の大藤。たった一本の木から、約100畳分の広さの藤棚が広がっている。
  このフラワーパークの売りは、まさに藤。というか、ほとんど藤しかないフラワーパーク(他にもあるが、藤の季節には圧倒されてしまう)。入場料も、藤まつり開催時は1200円と高く、季節を外せば700円、300円とどんどん安くなる。そして冬場(12〜2月)は無料。冬でも寒椿や山茶花などが楽しめるらしい。
  大藤の他にも、
棚になっていないもの葡萄のような八重藤まだ若いキバナフジ白藤のトンネルなどが楽しめる。
・Boys Be Ambitious!          群馬県伊香保町(大日本記非掲載、2004/5)
  伊香保石段街の外れ、旅館の玄関先に飾ってあった鯉のぼり。やけに直線的に泳いでいるなぁと思ったら、これ、竹製。一個一個手作りで、スプレーで色がつけられている。ちょっとした芸術作品だ。余ったスプレーは、壁の書きだけじゃなく、こんな使い道もあるんだね。なんとなく見栄えはメダカみたいだけど、この小ささに逆に元気良さを感じるのは私だけだろうか。
  子供たちよ、この鯉のぼりのように、何事にもまっすぐひたむきで、何事にも挫けずに頑張るのだ! そして、この鯉のぼりのように、もっとカチカチになれ(失敬)!
・IKAHO Romantica             群馬県伊香保町(大日本記非掲載、2004/5)
  車の通れない石段街道。これが伊香保温泉のメインストリート。上の方にある旅館はどのようにして物資を運んでいるのかと思いきや、車は裏から回って来られる仕組みになっている。石段の所々に踊り場があり、そこは頻繁に車が往来している。地元の人にとっては慣れた道かもしれないが、一歩間違えれば石段を転げ落ちる。写真は夜明け直後だから人影がないが、昼間は見物客でごった返す。私はちょっと遠慮したい道だ。
  さて、伊香保石段の名物を3つ。1:射的屋。2:公衆便所。3:旅館組合婦人部(女将たち)による給茶サービス。特に公衆便所の多さには感心する。しかも、夜間OK、あるいは休憩所つきが多い。観光客に優しい温泉街だ。
・Heart-Full Avenue            石川県門前町(Vol、26、2003/10)
  能登・総持寺祖院の門前に、およそ古刹とは釣り合わない花道がある。ちょうど門前高校に沿っている道なので、おそらく学校側で維持・管理しているのだろう。校門前には、見事なまでに色とりどりな花時計。普段、あまり「癒し」というものを取り入れない私だが、この一角には心を満たされたような気がする。総持寺と駐車場を結ぶ一本道にあるので、総持寺参拝者のほぼ全員がこの花時計を目にして、しばし立ち止まる。スケールの大きな総持寺で汚れた心を空にして、花時計と花道できれいな心を満たす。そう意識して作られたわけではないかもしれないが、それほどの価値を見出したのは私だけではないと思う。
・Champagne Tower           石川県輪島市(Vol、26、2003/10)
  道の駅【千枚田ポケットパーク】から眺められる、白米の千枚田。急斜面を開墾した、平均3畳分という狭い水田が2000枚以上連なっている。もっとも狭いものは、なんと30平方センチ。これでは、せいぜい2株くらいしか植えられない。
  昔なら、たとえ傾斜地であっても、水田を開発する価値があったかもしれない。しかし、農作業が機械化された現代、棚田は平地の水田に比べて労力の割に実りが少ない(機械が入れないため)ので、次々と消滅している。白米千枚田のように史跡に指定されでもしない限り、生き残る道はないのかもしれない。

  拡大写真も用意しました。まさに、芸術品ですな。
・Twin Bridge               石川県能登島町(Vol、26、2003/10)
  七尾湾にポッカリと浮かぶ、能登島。割と最近まで橋がなく、近代化の波から取り残されてきた島なのだが、能登島大橋が開通し、これが無料化され、さらに中島大橋も開通し、急速に開発が進められるようになった。
  2本の橋は、「ツインブリッジのと」と総称されている。面白いことに、どちらの橋にもアクセスカウンターが設置されており、自分がその日何台目の渡橋車なのかが一目で分かる。私の場合、能登島大橋(写真)が1878番目、中島大橋が602番目だった。やはり、七尾市街と直結している能登島大橋の方が圧倒的に需要が高いようである。
・Endless Blue               鹿児島県名瀬市(Vol、25復編、2003/7)
 奄美随一のリゾートビーチ、大浜海水浴場。白い砂、青い空、緑の丘、青い海。そうそうたる眺めだ。波打ち際が乳緑色に見えるあたりが、いかにも南国という感じ。ちなみに、中央の半円形の建物は、海洋展示館。海水浴場だけでなくバックヤードも充実している、総合海浜リゾートである。
  なお、この写真は、大浜海水浴場の第2駐車場(見晴らし広場)から撮影。高みから見下ろすことができるということも、大浜の知名度アップに貢献している。
・Coral Wall                 鹿児島県瀬戸内町(Vol、25往編、2003/7)
  加計呂麻島の北端・実久集落には、このような壁が随所に見られる。黒ずんだ平たい石を積んで、いわばブロック塀のような目隠しにしているわけだ。ところがこの壁、よくよく見てみると、実は石ではなく珊瑚でできている。死んだ珊瑚を集めてきて、積み上げているのだ。珊瑚はもともと平たいものだから、石を加工するより簡単に積み上げられるのだろう。これぞ、人間と自然が一体化した姿だ。
  ただし、この壁の隙間は、ハブにとっては快適な住処である。ヘタに覗き込むとガブリとやられるので、要注意。
・Cycad Mountain             鹿児島県龍郷町(Vol、25往編、2003/7)
  山一面の、ソテツ、ソテツ、ソテツ。ソテツは南国植物の代名詞だが、一カ所にこれほどのソテツが群生しているケースは極めて珍しい。ソテツは、放射状の葉が傘のように広がるため、遠景で眺めるとまるでキノコが群生しているように見える。この縮小サイズだと分かりづらいので、拡大版を用意しました。
  この山の隣には、一面バショウで覆われた山がある。バショウも南国特有の植物。フニャフニャと波打った葉が、水草を連想させる。足元に底なし沼がありそうな雰囲気。出血大サービスで、
バショウの写真も用意しました。
・Little URASHIMA            鹿児島県笠利町(Vol、25往編、2003/7)
  奄美大島の最北端・笠利崎。晴天直下、純白の灯台を見上げているのは、「ありがちコンビ」。そう、ここ笠利崎は、浦島伝説が伝えられている土地なのだ。しかし一般通念としては、浦島伝説の本家は丹後。人物像といい自然背景といい、ちょっと奄美のイメージからは遠いような気が。贔屓目に見ても、7:3で形勢不利か。
  それにしてもこの浦島、ずいぶんと若すぎやしないか? DAK○RAのCMに出てきそうな勢いだが。このぶんだと、玉手箱を開けても白髪の爺さんにはなりそうもない。せいぜい、バーコード頭に二重顎ってトコかな。竜宮城で飲み食いしすぎて、糖尿病になってたりして。
・Gourd Bath                青森県深浦町(Vol、24、2003/4)

  東北を代表する名物温泉と言ってもいいだろう。黄金崎不老ふ死温泉の露天風呂。モロに波打ち際に浴槽があり、手を伸ばせば海に触れられそう。そして、ひょうたん型の浴槽を満たしているのは、見事なまでに茶色をした食塩泉。丘の上の不老ふ死温泉本館から丸見えなのが多少辛いが、囲いのついた女性専用浴槽もある(写真は混浴)。なお、写真は西向きに撮っている。つまり、この水平線上に美しい落日が望めるということだ。立地の全景を見たいという人は、ぶらり日帰り温泉案内(東北)へGO!                   

・Ancient Blue               青森県岩崎村(Vol、24、2003/4)
  白神山地に抱かれた33の池。なのに、十二湖と呼ばれる。それは、大崩山の頂上から眺めたときに12の池が見えるからなのだとか。そんな十二湖の中でも、とりわけ異彩を放っているのが、この青池。写真を見れば一目瞭然、水の色が青。透明度が高いので、よくよく見れば湖底に沈んだブナの倒木の姿も確認できる。これを見て、太古の地球を連想してしったのは、私だけだろうか。湖面からシーラカンスが飛び出しても、「あ、シーラカンスね」と納得できてしまいそうだ。
・Palm Curtain               高知県高知市(Vol、23、2003/1)
  南国情緒の代名詞、ワシントン椰子の並木。細い幹が天高く突き上げ、遙か上空で放射状に葉を広げた出で立ちは、まさに花火である。ましてや、それが何本も連なって、川沿いにカーテンを張り巡らせているのだ。椰子並木は全国各地にあるけれど、これほど均整のとれたものはそうそうはないだろう。
  写真は、国道32号、高知駅からはりまや橋へ向かう途中で渡る、江ノ口川の橋上から撮影。紛れもなく、高知随一の絶景である。また、高知駅前にも同じような椰子並木があり、駅舎を見下ろすような巨木は迫力満点。駅を降りた瞬間に南国高知を感じることができるだろう。
・It's Uneasy                 高知県土佐清水市(Vol、23、2003/1)
  荒々しい岩肌に、緑と茶色のデコレーション。緑がまるで波のように覆い被さり、崖下に落ちそうになって慌てふためいている、そんな岬の風景である。足摺岬は、かつて弘法大師が足を摺って辿り着いたというエピソードから名付けられたという。つまり、それほどの難所ということだ。今では立派なスカイラインが開通し、さらにこれが無料化されて誰でも気軽に行けるようになった。しかし、展望台から眺める景色はいにしえの霊的な、いわば結界の向こう側を彷彿させるに十分だ。なお、空とほとんど同化してしまっているが、岬の先端には白亜の灯台があり、そこまでワイルドな遊歩道が続いている。
・Jurassic Park               高知県土佐清水市(Vol、23、2003/1)
  遂に日本でブラキオサウルスの化石発見か!? と思ってしまうこの光景、実は長年の風雨と波で浸食された、岩。何がどう浸食したらこんな背骨のような形になるのか、まったくもって不可思議である。ただの円柱ではなく、ちゃんと継ぎ目まであるのだから。足摺岬の付け根に位置する奇勝竜串には、このような“背骨”のほかにも、“竹”、“蜂の巣”など、独特な奇岩がゴロゴロ転がっている。現在ではグラスボートを使った沖合からの観光が主流になっているので、海岸の遊歩道も荒れ放題。しかし、荒涼たる風景には荒涼たる遊歩道の方がよく似合っている。
・Everlasting SHIMANTO        高知県中村市(Vol、23、2003/1

  まさに日本の原風景。約150kmもの道のりを終えた四万十川は、靄に霞む山並みをバックに、ゆっくりと河口へ向かう。
  写真は、四万十川遊覧船(川下り)乗り場付近から見た風景。あいにく雨が降っていたのだが、この景色には曇天と霞がよく似合う。
  この辺りの四万十川は、淡水と海水が混ざり合った汽水域である。いろいろな種類の魚が棲み、付近の食卓を賑わせている。ごり、川海苔、アカメ、鰻……。四万十川は水資源の宝庫なのだ。

・Subsidence                高知県中村市(Vol、23、2003/1)
  四万十川最大の特徴と言っていいだろう。佐田の沈下橋。沈下橋は、大雨で川が増水したときには完全に沈んでしまう造りになっている。しかし、橋そのものが破壊されてしまっては元も子もないので、激流に耐えられるよう様々な工夫が施されてある。まず、橋桁のコンクリートが極端に薄い。そして、欄干がない。いずれも、水流の抵抗を弱めるための工夫だ。
  ちなみに、橋上での車のすれ違いは極めて危険だ。普通車同士ならギリギリすれ違えるのだが、欄干がないだけにかなり肝を冷やす。橋に入るときには、前方をよく確認して、対向車があるときにはじっと待つ。これがマナーだ。
・Party Bridge                高知県西土佐村(Vol、23、2003/1)
  高知県西土佐村、半家集落の対岸から眺める四万十川。幾重にも折り重なる山並みを縫うようにして清流が続く。写真をよく見てみると、平行して2本の橋が架かっているのが分かる。手前の小さな橋は国道371号と半家集落を結ぶ半家沈下橋。奥の立派な橋は、JR予土線の架橋。半家集落を見下ろしつつ、のどかなワンマン列車が走る。半家集落に暮らす人々にとっては、この2本の橋はまさに生命線である。大雨が降って沈下橋が通行不能となれば、集落は瞬く間に陸の孤島と化してしまう。
・Festival Train               千葉県銚子市(Vol、22後編、2002/8)
  お祭り騒ぎの飾りつけで走るのは、1両ワンマンカーの銚子電鉄。銚子〜外川間の短い路線だが、市民にとっては大事な足である。駅間が非常に短いので、駅は10を数える。その中でも、落ち着いた欧風の駅舎が多く目につく。銚子駅(JR銚子駅のホーム上に駅舎があるという、珍しいスタイル)はオランダ水車小屋風、観音駅はスイス風、君ヶ浜駅は地中海風のアーチ造り、犬吠駅はポルトガル建築風。そして、終着の外川駅は昔のままの堀立て小屋。このオチが素晴らしい。なお、車内は年中飾り立てているわけではなく、たまたまお盆の時期に乗ったため、この光景を見ることになった。
・North Asterisk              北海道函館市(Vol、22後編、2002/8)

  均整のとれた五角形がトレードマークの、五稜郭。しかし、内側を見てみると、決して「均整」という言葉は適切ではない。夏草が生い茂り、木々は好き放題に枝葉を茂らせ、踏跡を容赦なく覆い尽くしている。外堀には睡蓮が群生している。睡蓮はちょうど見頃を迎えており(来訪は8/11)、可憐な白い花が曇天下の堀割に心地よいアクセントをつけていた。
  ところで、五稜郭の北方に、四稜郭なる史跡があるのをご存じだろうか。戊辰戦争時の台場跡であり、蝶が羽を広げたような形をしている。五角形の城郭よりもむしろ珍しいのだが、あまり名が知られないのは、やはり見た目の美しさに欠けるためだろうか。

・Guardian Deity              北海道函館市(Vol、22後編、2002/8)
  JRA主催のレースが行われる競馬場のうち、私はこれまでに5場(府中・中山・福島・新潟。函館)に足を運んできた。その中では、函館競馬場が最もローカル色が強く、また、ギャンブル色が強いと感じた。公営競馬にも近い雰囲気を感じるのだ。そんな中にも、函館らしさは強く滲み出ている。例えば、写真奥にうっすらと見えているのは、函館山である。山頂部分が雲に覆われてしまっているのだが、晴れた日には「俺には函館山がついてるサ」という気分でレースを観戦できそうだ。また、立地が函館空港に近く、頭上をジャンボ機が通過するときには一切実況が聞こえなくなる。これも函館にしかないことだろう。
・Haunted Chimney            岩手県宮古市(Vol、22後編、2002/8)
  一見すると、なんの変哲もない風景のようである。しかし、よく見てみると、この写真には1カ所だけ、日常にはあり得ない異常な部分がある。写真中央部分に、煙突が突き出ているのがお分かりだろうか。そしてこの煙突、どこから伸びているのかというと……。そう、空中に浮いているのである。足のない、お化け煙突である。拡大写真を用意したので、分かりにくいという方はこちらをご覧あれ。
  夏の三陸地方、雨上がりの朝。山に沿った街にはもうもうと霧が立ちこめ、煙突中腹以下を飲み込んでしまったのである。この日この時この場所でしか見ることのできない風景である。
・Water Shield                北海道七飯町(Vol、22後編、2002/8)
  周囲5kmほどの小さな沼に、大小80余もの島が浮かび、独特な景観を披露している。大沼公園。遊歩道が張り巡らされ、定期遊覧船が就航し、乗り合いのモーターボートまである、道南屈指の観光名所だ。
  しかし、大沼が観光名所であると同時に、釣りの名所でもあり、また、天然のじゅんさいの宝庫でもある。島ばかりに気を取られず、細かいところまでくまなく観察していると、大沼の真の姿が立体的に見えてくることになるだろう。
  じゅんさいの旬は、初夏。この時期には湖面に小舟が浮かび、手作業でじゅんさいを採取する風流な光景にも巡り会える。
・Core                     北海道登別市(Vol、22前編、2002/8)
  大地のエネルギーは尽きることがなく、地殻を破って私達にその威容を覗かせている。温泉地として有名な登別の地獄谷。車を降りるなり、いきなり硫黄の独特な臭気に包まれる。そして、その源は、緑の山々から切り取られた一角にある。一切の生命体を寄せつけず、露わになった山肌と堆積した硫黄(湯ノ花)が、地獄さながらの景観を演出している。
  しかし、その地獄を好んで訪れる人は多い。国内はもちろん、世界各国から見物客が訪れ、賑わっている。特に、アジア諸国(韓国や台湾)から来ている人が多かった。いずれ地獄へ行くことになる人々の事前研修、というわけではないのだろうけど。
・Time Machine               北海道小樽市(Vol、22前編、2002/8)
  小樽運河の名物の一つ、人力車。この日はあいにくの雨天で空車が目立っていたが、雨よけの屋根があり、下半身にはシートをかけてもらえるので、「濡れる」という心配はあまりしなくていいようだ。ただ、見ていて運転手が気の毒だったけど。
  小樽市内には、このような人力車がよく似合うような古い建物がたくさん残っている。特に多いのが明治時代の石造りの倉庫で、現在は博物館やレストランとして利用されている。人力車に乗ってこれらの建物を見て回れば、明治貴婦人の気分に浸れるのではないだろうか。もしかしたら、この人力車は私達を100年前の世界へと誘ってくれるタイムマシーンなのかもしれない。
・Vapor Town                群馬県草津町(大日本記未掲載、2002/4)
  名湯・草津温泉の湯畑。草津の泉源の中でも特に良質で、温泉街の一部の旅館や浴場にだけ供給されており、これが草津では一つのステータスになっている。温泉宿をチェックするときに、「湯畑から引いています!」とある場合は、「おっ!」と思っていいわけだ。湯畑といえば、写真のように6本の樋がシンボルとなっているが、これは、湯ノ花を採取するためのものである。
  写真右に四阿が見えているが、ここでは沸き立て新鮮な湯に触れることができる(入浴は不可)。また、近くには共同浴場「白旗の湯」(他、草津には無料の外湯が18もある)があり、ここでは伝統ある“湯もみ”のショーも行っている。
・2×2 Falls                 三重県名張市(Vol、21、2002/5)
  室生赤目青山国定公園の目玉、赤目四十八滝の荷担滝。赤目四十八滝には、正確には48ではないようだが、多くの滝が点在している。自然味溢れる遊歩道は、一番奥まで行くと往復3時間の道のりになるのだが、奥へ行けば行くほど神秘性の高い滝に出会えるので、ついつい時間を忘れて歩を進めてしまう。途中、2カ所に休憩所がある。
  この荷担滝は、私が最も気に入った滝である。落差や水勢は高が知れているのだが、その姿の美しさは他の追随を許さない。写真ではただの双子滝として写っているが、実際は双子の滝がそれぞれ2段階に分かれて流れ落ちている。
・Crisis Of Strait              広島県音戸町(Vol、21、2002/5)
  日本一短い定期航路・音戸の渡しで有名な、音戸ノ瀬戸。甚だしく老朽化した渡し船(写真中央の船が渡し船“つばめ”)は70円で利用でき、音戸大橋が開通した現在も住民の足として愛用されている。
  写真は、音戸大橋上から撮影。音戸大橋は呉側に二重ループ、音戸側に三重ループを抱える珍しい造りで、音戸大橋記念公園からその全容を眺められる。
  なお、写真を見ると、“つばめ”がかなり蛇行しながら進んでいるのが分かる。船体の向きも、進行方向とは明らかにずれている。これは、瀬戸内名物の早瀬が船体を流してしまうためだ。
・North Wall                 鳥取県大山町(Vol、21、2002/5)
  雲間から今まさに顔を覗かせんとしているのは、伯耆大山の北壁。写真は、大神山神社の参道近くの“金門”と呼ばれる場所から撮影。この日、大山の裾野の街は雨に見舞われていたのだが、この場所は雨雲より標高が高いので、遠望が利く。
  大山は古くから霊山として崇められ、山岳仏教も栄えた。最盛期には、比叡山と肩を並べるほどの勢力を誇っていたという。この北壁を眺めれば、僧侶でなくとも、ある種の霊的なパワーを感じ取れることだろう。
  なお、霧が出ているような日は、大山北壁を綺麗に眺められるのはこの場所しかない。
・Lapis Lazuli                京都府園部町(Vol、21、2002/5)
  約3kmにわたって風雅な渓流が続く瑠璃渓は、京都府と兵庫県の境界近くにある。柔らかな景色が多く、迫力という観点からは高い評価はできないのだが、気持ちを落ち着けるには文句なしの観光名所だ。3kmの渓谷のうち、上流の半分には遊歩道が整備されている。写真のように、簡単な橋で川を渡るようになっている場所もあり、色々な角度から景色を堪能できる。
  1つ難点を挙げるとするなら、上流部と下流部にそれぞれ駐車場があるのだが、いずれもキャパは20台くらいで、休日にはすぐに満車になってしまうことだろうか。上流部には売店などが一切ないというのも辛いところだ。
・Round & Round             岩手県平泉町(Vol、20、2001/11)
  松尾芭蕉の「五月雨や 降り残してや 光堂」の句で知られる、中尊寺。とは言っても、有名なのは金色堂で、本堂は観光客も疎らである。団体ツアーが多く訪れるので、一瞬だけ嵐のように賑やかになり、波が引くように去っていくと、再び静けさが舞い戻ってくる。ただし、観光客が少ないとはいっても、そこは奥州随一の観光名所、蝉の声が岩にしみ入るようなことはない。
  私が中尊寺を訪れて驚いたのは、お守りを売る店が非常に多いということ。それもそのはず、中尊寺内には数多くのお堂があり、それぞれ本尊も御利益も異なるのだ。ここを訪れるときには、あらかじめどのお堂を詣でるべきなのか、考えておいた方がいい。
・Crimson Glen               秋田県田沢湖町(Vol、20、2001/11)
  折しも紅葉が真っ盛りの11月、抱返渓谷は全国からの行楽客で超満員だった。ここでは紅葉だけでなく、深いV字渓谷美を一緒に楽しめる。遊歩道もかなり標高の高い場所に設けられているので、谷底を見下ろすアングルには迫力も兼ね備えている。これだけ深い渓谷(“峡谷”と言った方がいいかもしれない)なのに、岩肌が剥き出しになっている部分は少なく、水際まで樹木が茂っているというケースは、私の知る限りではかなり珍しい。水の流れも、眺めるポイントによっていくつもの表情を見せる。遊歩道のすぐ脇を流れ落ちる滝もある。
  ただし、遊歩道のトンネルは真っ暗。灯りの携行を忘れずに。
・Aiming At The Goal           茨城県鹿嶋市(Vol、20、2001/11)
  JR鹿島神宮駅近くの町並みで、こんなモニュメントを見つけた。しかも、公園の中とかではなく、民家のほんの軒先にある。鹿島は、古くから鹿島神宮の門前町として栄えてきた街だが、サッカーJリーグの発足はこの街をさらに活気づけた。北部には巨大なサッカースタジアムが完成し、スタジアム専用の駅までできた。鹿島は歴史と未来が手を結んで成長を続けている街なのだ。
  ところが、旧鹿島町は、市制を敷く際に“鹿嶋市”と名を変えざるを得なかった(佐賀県にすでに“鹿島市”が存在するため)。鹿島神宮があり、鹿島アントラーズの本拠地である街は、鹿島市ではなく鹿嶋市なのである。
・Starlights                  大分県別府市(Vol、19北編、2001/9)
  これはわざわざ載せるほどのこともない写真だが、白黒で印刷する大日本記には決して載せられない写真なので、恥をしのんでここで公開することにした。
  これは、“地獄めぐり”を中心に国際的観光都市を形成している別府の夜景である。この写真では分かりづらいかもしれないが、別府の夜景はとにかく色彩が鮮やかなのだ。これだけカラフルな夜景は、他ではなかなかお目にかかれない。しかも、別府は海に面しており、背後には山が聳えているので、ネオンがとりわけ明るく映る。
  なお、この写真は別府〜八幡浜のフェリー上から撮影している。
・Insomniac SUSUKINO        札幌市中央区(Vol、19北編、2001/9)
  北の100万都市、札幌すすきのの夜景。JR札幌駅周辺はオフィス街で、夜のネオンは比較的地味である。駅を出たときには「あれ、札幌も結構夜が早いんだなぁ」と思ったものだ。しかし、深夜まで営業している飲食店が多いすすきのは、写真のように不夜城を形成している(この写真は、午後11時頃に撮影)。人も車も昼間のようにひっきりなしで、この街がこの喧噪から解放されることはない。
  因みに、撮影地はラーメン横丁のすぐそば。もちろん私も撮影後に寄ってみたのだが、どの店も押せよ引けよの大盛況だった。その多くは観光客であり、ラーメンの写真を撮る姿も多く見かけた。
・Slow Motion               北海道幌延町(Vol、19北編、2001/9)
  典型的な北海道の酪農風景である。倉庫の中に堆く積み上げられているのは、もちろん干し草。道北地方は、道内の他の地方と比べると、比較的小規模な農家が数多く存在する。そのため、道を歩いていると頻繁にこのような光景に巡り会える。しかし、牛の姿はほとんど見かけない。現地で経営主から聞いた話によると、牛の放牧管理には大変な手間がかかり、小規模な農家ではとても目が行き届かないのだという。そのため、放牧時には別経営の放牧場に預け、管理を任せてしまうのだ。
  某食品加工業者の影響もあって、底冷えの続く北海道の酪農だが、農家の人々は私に生き生きとした笑顔を見せてくれた。
・My Favorite SUSHI           山形県酒田市(Vol、19北編、2001/9)
  大日本記で2回紹介している、寿司屋“樽平”。1回目に訪れたときは列車の待ち時間が短くて、かなり急いでちらし寿司を掻き込んだ。その味に感動し、今度はゆっくり味わおうと再訪したのだが、写真のとおり暖簾は出ていないし照明も消えていた。まさか潰れたわけではないと思うのだが、目下、消息を心配しているところである。
  ここのちらし寿司は、イカとタコと甘エビ(もちろん、すべて生)しか乗っていないのだが、特にイカの鮮度が最高なのだ。透き通るような透明にやや赤みが射し、口に入れるとブツブツと音をたてて噛み切れる。値段は、確か1300円。この味なら安いものである。
・「Rest Room」               北海道名寄市(Vol、19北編、2001/9)

  一見すると公衆便所のように見えてしまうこの建物、実は、駅(智恵文駅)。北海道、特に道北の宗谷本線にはこのタイプの駅が多い。もちろん切符売り場なんてないし、駅員もいない。それどころか、トイレすら設置されていない(トイレは車内にあるから問題ないのだが)。中には粗末なベンチが置いてあるだけである。愛嬌に満ちたこの形、なにかに使っていた施設の払い下げだろうか? 例えば、昔の鉄道車両とか。
  駅舎のない駅は、今でも全国各地にある。そのような駅には、お役後免になった車両を解体せず、そのままポンと置いておけば立派な待合室になると思うのだが。

・Southern Road              鹿児島県徳之島町(Vol、19南編、2001/8)
  鹿児島と那覇を結ぶフェリーは、その途中、いくつかの島に寄港する。眺めていて面白いのは、南へ行けば行くほど港の規模が小さくなり、与論島などはターミナルの建物すらなく、ただ波止場が1本、ポンとあるだけなのだ。フェリーから降ろされた物資はコンテナのまま波止場に放置される。もちろん改札口もないから、旅客も下船してすぐに街へと消えていく(船内改札なのだろう)。
  写真は、闘牛で有名な徳之島の亀徳新港。中央に見えている青っぽい屋根の建物が旅客ターミナルと倉庫である。かなり規模は小さいが、まだはっきりと建物があると分かる。これを見て、まだまだ北の方なんだな、と実感するわけだ。
・Radial Prayer               沖縄県糸満市(Vol、19南編、2001/8)
  広い敷地に整然と並んでいるのは、太平洋戦争の沖縄戦における戦没者の慰霊碑。その奥の緑の丘は、多くの人々が命を絶った摩文仁の丘である。
  沖縄には、太平洋戦争の爪痕がたくさん残されているが、そのほとんどは、日本軍が最後に追いつめられ、残酷な戦闘が行われた糸満市内に集中している。
  ここ平和祈念公園は、その中では唯一、憩いの場として整備されている施設である。観光気分で気軽に散策できる反面、インチキ商人も多く出没する
。別の意味で、気を引き締める必要がある。
・Seaside Pass               沖縄県那覇市(Vol、19南編、2001/8)
  沖縄の道路は、とにかく渋滞が激しい。その理由は、第一に、鉄道の不足である。沖縄県内には、今のところ、那覇〜首里間にモノレールが建設中なだけ(開業は2003年)なのだ。第二に、右折車線の不足。これは、私が思うに、沖縄は1972年に日本に返還される以前は右側通行だったということが影響しているのだと思う。そして第三に、バイパスの不足。市街地を迂回する道路が少なく、ただ通過するだけの車までもが市街地を通行してしまうのだ。
  写真は、那覇市西部を縦貫する“波の上臨海道路”。混み具合・景観・走り易さのどれをとってもA級。貴重なバイパスである。
・GUSUKU                  沖縄県中城村(Vol、19南編、2001/8)
  沖縄は、“グスク”なしには語れない。グスクとは、中世の豪族達が建てた城であり、その跡は県内の至るところに残っている。その姿は、日本建築には考えられない曲線美に満ち、日本本土よりも遙かに進んだ石垣の工法が用いられている。
  写真の中城城は、14世紀(推定)に建設されているのだが、この時代、日本本土にはほとんど“城郭”と言えるものは存在しなかった。本土で城郭建築が発展したのは戦国時代、つまり16世紀になってからのことである。沖縄では11世紀頃からグスクの建築が進んでいたので、本土より500年ほど進んだ歴史を歩んできたのである。
・Japanese Roots             沖縄県知念村(Vol、19南編、2001/8)
  一見魚眼レンズで写したように見えるこの写真は、普通の35ミリレンズで撮影したものである(私のデジカメにはズーム機能等は一切ない)。また、上を向いてではなく、水平方向に撮影したものだ。
  男子禁制の地、斎場御嶽は実に神秘的な場所である。この場所は、かつて“ノロ”と呼ばれる女性祈祷師が、久高島を遙拝し、祈祷を行っていた。久高島は沖縄開闢神のアマミキヨが降臨した場所といわれており、歴代の王朝は聖地と崇めていたのだ。光の関係で写ってはいないが、写真中央の“穴”からは海と海に浮かぶ久高島を望むことができる。
・ZAWAWA ZAWAWA ZAWAWA    沖縄県本部町(Vol、19南編、2001/8)
  どこまでも続くさとうきび畑。私は、沖縄に行くまでは、さとうきびといえば糸満というイメージがあった(それも、戦争時に火炎放射器で焼かれたイメージが強い)のだが、実際に行ってみると、中部の今帰仁や本部辺りに集中している印象を受けた。そういえば、今帰仁の黒糖は有名で、東京でも稀に見かけることがある。お茶うけに最適な、素朴な味わいがある。
  写真は、本部の市街地と橋で結ばれている、瀬底島。ごく小さな島で、天然のビーチ以外にはほとんど観光客が足を踏み入れることもない。しかし、そんな小島もさとうきびは全国に誇れる。人家がほとんど見当たらないという点も、深い情緒を醸し出している。
・Shy Guy                   沖縄県名護市(Vol、19南編、2001/8)
  “ネオパークおきなわ”では、国内外の珍しい動物がたくさん飼育されている。「ああ、動物園ね」と思う人もいるだろうが、ここには、動物園には決して真似できない素晴らしさがある。鳥類を放し飼いにしたり、柵を設けずに直に動物達とふれあえるようにしたり、餌付けができるようになっていたり。ただ動物を集めただけでなく、周囲の環境も一緒にそっくり移してきた観があり、動物園に行ったというよりも野生の動物に出会ったと思えてしまうのだ。
  写真は、園内にある野生鳥獣保護センターで保護されていた、ヤンバルクイナ。マングースの異常繁殖(ハブ駆除のために人的に放たれた)のため、絶滅の危機に瀕している。
・Sea Men                  京都府伊根町(Vol、18、2001/5)
  家が港、港が家。近海漁から帰ってきた漁船群は、そのまま家の中まで入っていく。こんな光景が実際にあるのだから、日本は面白い。
  全国的に有名は伊根の舟屋は、現在230戸ほど残っている。写真を見ても分かると思うが、この辺りは海岸線のすぐそばまで山が迫っており、平面的な街は一切開けない。民家は、山裾と海の挟間に一列縦隊に並んでいる。岩礁地帯なので、大規模な港も開けない。この場所で漁夫が生活するためには、このように家を港にする以外に方法がなかったのだ。先人の偉大なる知恵である。
・Straighten                 京都府岩滝町(Vol、18、2001/5)
  日本三景の一つ・天橋立は、楽しみ方のバリエーションも豊富である。まず、実際にその場まで行ってみる。回旋橋を渡り、松林に囲まれて小天橋と大天橋を歩く。次に、周辺から眺める。阿蘇海や宮津湾沿岸、北の傘松公園などから眺められる。そして最後に、遠くから眺める。
  写真は、“一字観”と呼ばれる展望地からの眺めである。その看板に偽りはなく大天橋が一文字に海を切り裂いているのが分かるだろう。大天橋の手前が阿蘇海、奥が宮津湾、さらにその奥に栗田半島の山並みが見えている。
・Laputa                    兵庫県和田山町(Vol、18、2001/5)
  私は大日本記の中で、何度となく「竹田城はラピュタである」と述べてきた。割と読者の反響も多いポイントであり、「写真をカラーで見てみたい」という声もあった。その要請に応えての、アップである。まさしく、雲の上の城である。城全体が空中に浮いているようにすら見える。写真右上部には、かすかに下界の様子が見て取れるのがお分かりだろう。この写真を見れば、誰もが天空の城「ラピュタ」を連想するのではないだろうか。
  竹田城は、城好きな人の間ではかなり有名だが、城好きでない方も、一度は訪れてみることをオススメしたい。


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